エレベーターに、二十歳前後の若い女性二人と乗り合わせた。
エレベーターが上昇し始め、一つ上のフロアで三十から四十歳前後の男性が二人乗り込んできた。
しかしこの二人のおじさんがまた妙な風貌で、乗り合わせていた女性の一人から
「むふっ・・」と、こらえ切れず笑いが漏れた。
もう一人の女性がたしなめるように、笑った女性をひじで突いているのが視界の端に見えた。
私も思わず、もらい泣きならぬもらい笑いしそうになったが、なんとか持ちこたえた。
それにしても変な二人だ。
失礼なことは承知しているが、それでも変なものは変だ。
一人は小太りなおじさんで、やたらと派手なシャツのお腹の部分に”熊”と大きな漢字が書かれている。
もう一人は、首のところがだら〜んと伸びきった肌色のTシャツを着た、ひょろっとしたおじさん。
歩く時に両手のひじを曲げたり伸ばしたり、体も少し前かがみになったり起こしたり、妙な歩き方をしている。
この二人は連れなのだろうか?
しばらくするとエレベーターが停止し、その変な二人が降りた。
私も同じフロアで降りるつもりだったので、続いて降りた。
しかしなんか目に付くというか、変な二人だなぁ。
そう思っている私の後ろでエレベーターのドアが閉まり始め、女性の声が微かに聞こえた。
「変な三人だったねぇ」
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