POC2004ドラフト 空耳の苦悩

 

<ドラフト3日前> すべての始まり苦悩のメール

林オーナーが仕事の都合による不参加のメールを送ってきた。
同時にドラフト登録リストも添付してある。
まずい、他のオーナーならともかく、林オーナーの代理だけは避けたい。
彼は間違いなくブレーヴハートを狙っている、と確信していたからだ。
しかも「誰も1位でその馬を狙うオーナーはいない」と彼が思っているだろうこともわかっている。
ポイントもそう大きくは積んでこないはず。
それをいきなり私が1位指名でさらっていき、彼を驚愕させるはずだった。
ところがこれではリストを見て横取りしたと思われてしまう!
なんとか電話参加できないかメールで呼びかけてみるが、応答はない。
とりあえず私としては最善を尽くすしかない。
ブレーヴハートだけは譲れない。

 

<ドラフト1日前> アルバイト代をどうしよう

林オーナーのメールを妻に転送し、私が仕事に行っている間にそのリストをドラフト用紙に書き写し、それを折り畳んでドラフト順位だけは外にも書いてもらうよう依頼。
抹消馬リストもあれば、それだけを別の用紙に印刷することも頼んだ。
念のため、送られてきた原紙も印刷して、これも折り畳んで中身が見えないようにしてもらう。
準備は万全。
後はもう信用してもらうしかない。

 

<ドラフト当日> ついにきた

遅れると言っていたぷうオーナーも電話参加となったため、こちらも私が代理。
全員がドラフト登録用紙提出後、電話で登録馬を言ってもらうことで公正さを保つ。

林オーナーとの重複の不安は
去らないが、その不安を口外すると私がブレーヴハートを狙っていることを他のオーナーに知られてしまうため、何も言えずにドラフトを迎える。

 

<ドラフト1位指名> 読み違い

全員が1位指名の用紙を出し終わったところで、ぷうオーナーに1位指名馬を電話で確認。
お互い電波が悪いらしく、なかなかつながらないが、なんとか1位指名を聞いて用紙に記入。
そして開票。
いきなり田坂オーナーの12900Pサムライハート。
「なんちゅうポイントやねん!」
我がPOCでは最低1000Pで登録可能で、1位指名だけどうしても獲りたい人が2000から3000Pがおおよその相場。
それが一昨年のダンシングオンで6900Pの破格の落札。
今年はさらに倍近い価格破壊的なポイント。
競合すれば勝ち目がないと来年以降のドラフトに不安がよぎる。

そして私の指名馬オープン。
ブレーヴハート、2400P。

「林オーナーはブレーヴハートを狙っているはず」と一緒に言っていた千葉オーナーが、驚きの声をあげる。
ここでようやくこれまでの不安を打ち明けることができた。
そして林オーナーの指名馬。
!!!
・・・ラパルースベイ。
? 読みがはずれた???
しかし間違いなくラパルースベイとなっている。
妻にはドラフト用紙に記入を頼んだが、情報量が多く面倒だからと1枚づつにして印刷したものを封入したものが入っていたため、たぶんミスではないはず。
よかった。
しかし横で千葉オーナーが笑いながら悲鳴をあげている。
このラパルースベイは千葉オーナーと重複指名で、しかも100P差で林オーナーが上回っていた。

 

<ドラフト2位指名> しかし安心するのはまだ早い

ここで林オーナーがブレーヴハートを指名していれば、やはり私の競合なし狙いの横取り1位指名に見えてしまう。
全員が2位指名馬の用紙を出し終わり、ぷうオーナーの2位指名を電話確認。
「グッドネイバーもう出た?」
「・・・・いや、まだ」
「じゃあグッドネイバー、1200ポイントで」
「了解」
また私の指名馬だ・・・
目の前のテーブルの上に折り畳まれて開票を待っている私の2位指名。
しかも1400P。
明らかに獲れないことがわかっているのに、公正を期すため何事もなかったかのようにぷうオーナーの登録希望馬として用紙に記入。
複雑な気分。
そしてさらに駄目押しのように、林オーナーのブレーヴハート指名。
やはりきた・・・
読みははずれていなかった。
恐らくブレーヴ1位はないだろうと、先にラパルースベイにいったのではないだろうか。
「絶対疑われる!! 感じ悪い〜!」思わず叫んでしまう。
1位、2位と希望通り獲れて、こんなに気分の悪いドラフトは初めてだ。
気を取り直して(実際は取り直せなかったが)ぷうオーナーに私がグッドネイバーを指名して勝ったことを告げ、別の馬を指名してもらう。
(「嫌な役やで」と千葉オーナーの最近の口癖が心に浮かぶ)

 

<ドラフト3位指名> そしてドラマはまだ続く

ぷうオーナーの3位指名を確認した後、開票。
林オーナーの3位指名。
ディープインパクト
「・・また・・・」
私の指名と重複!!
しかも、私が100P上回っている。
再び横取り・・・
恐らく私が他人だったらこう言うだろう。
「お前、見たやろ」
意気消沈して林オーナーの5位指名を開ける。
まだ3位なのに、2頭重複。(厳密にはブレーヴは重複ではなかったが)
(「嫌な役やで」)

 

<ドラフト9位指名> 最後にもう1つ

「空耳オーナー、母ユーキャンドゥイット、1000ポイント」
「千葉オーナー、母ユーキャンドゥイット、1000ポイント」
「キターーー!」
昨年3オーナーが7位で激突した「母:Two Punch Lil(アンクルリーサム)」
そのうちの2人は私と千葉オーナー。
千葉オーナーがドラフト前から狙っている気配を出していたので、7位指名ではあまりない1100Pで空耳落札。
これまでほとんどなかった下位での重複に大きく盛り上がった昨年。
その因縁の対決が今年は9位指名で再燃。
再投票。
しかし9位指名ということでポイント上積みを避けた私に対して、千葉オーナーは倍の2000P。
千葉オーナーは今年の最高獲得ポイントを9位でマークする羽目になった・・・

盛り上がりはしたが、個人的にとても疲れたドラフトがようやく終わった。


林さん、私は無実です(笑)