北海道 −犬の散歩−
−序−
昨年まで3年連続で行っていた北海道旅行。
今年は犬の銀河がいるのでもうないかと少しあきらめていたが、
ゴールデンウィークに東北旅行で車中5連泊を敢行しても全然平気だったので、やはり今年も北海道へ行くことに決定。
ただ、長時間の船が大丈夫かが不安だったので、高速で青森まで走り、
そこから下北半島の北端にある大間港から函館へ渡ることで船の時間を短縮することも検討したが、
丸二日走りっぱなしになるので、それもどうなのか・・・
ということでペットルームも完備して実績もあるであろう新日本海フェリーを信じて、
やはりこれまでと同様、船で北海道へ渡ることにした。
−9月17日− 敦賀港へ
この日のために前倒しで進めておいた仕事を午後3時で切り上げて帰宅し、長旅の支度を整える。
風呂に入ってさっぱりしてから出発。
まずは近所の洋食屋さんでピラフセットを食べる。
そこから吹田へ出て、名神高速で米原、北陸自動車道で敦賀へ。
ところがこれが眠い眠い。
ここの走行が今回の旅で一番つらい運転になった。
余裕で着くかと思っていたが、スピードを出せなかったためか案外ぴったりの時間に到着。
コンビニで翌朝食べるためのパン等を買い込んで早々に港へ。
乗船する車がかなり多く、係員に従って車で乗船してみると、小さい車だけを集めて縦向きに駐車させたり横向きにさせたり、
縦横の間隔もかなり窮屈に詰めさせたりと、今まで乗った中で最も車の多い日だった。
みんな夏休みなのだろうか。
車を積んで、銀河を抱いて船内へ入る。
ペットルームに案内してもらうと、さすがに美しい部屋ということはなかったが、
しっかりしたつくりの小屋が大小2種類十数個積み上げられた部屋で、その小屋の前のスペースでしばらく銀河を遊ばせた後、
小屋に入れて部屋を出た。
鍵付きの頑丈な小屋
銀河バージョンの部屋にして、しばしお別れ なんでもそつなくこなす彼ならきっと大丈夫
予想通り部屋を出てからも鳴き声が聞こえたが、一時のつらい別れをこらえて自分たちの2等寝台へ。
今までスイート、特等、スイートといい部屋で旅をしてきたが、ちょっと経済的な事情がそれを許さないので今回は初の2等寝台。
どんなものか不安ではあったが、まぁ問題ないレベル。
少し狭いがベッドでの睡眠は帰りの船までないのでかなりありがたい
出航が午前1時30分ということもあり、すぐに寝入った。
−9月18日− 船上の人と犬
朝は8時30分に起床。
早速ペットルームの鍵を借りて、気になる銀河のもとへ。
小屋を開けるとそれはもう大はしゃぎ。
30分くらい自由にさせて、餌やりとトイレを終えて再び小屋の犬に。
入るのはかなり嫌がったが、鳴くことはなくなった。
もう乗りなれた船なので船内を見て回ることもせず、プロムナードで海を見ながら読書。
実はこのなんでもない時間が結構好きだったり。
昼過ぎと夕方に銀河に会いに行くと、行くたびにだいぶ落ち着いてきた様子。
昼と夜ともに船内のレストランで食事を済ませ、20時30分定刻通り苫小牧東港に入港。
ようやく銀河も自由の身。
特に疲れた様子もなく、ひたすら元気。
おつかれさん。
さぁまずは港から東へ15キロほど行ったところにある道の駅むかわ四季の館にある温泉へ。
温泉の後はそのままその場所で寝袋やカーテン等の就寝準備。
しかしこの日は雨。
雨の日は就寝準備も車の外からできないので結構面倒。
翌日はとりあえず東へ向かうことに決定(決まってなかったのかよ)
−9月19日− ハルニレの木
朝起きてまずは道道10号線で北上。
途中のコンビニでパンを買って車内で朝食。
食うのも寝るのも車の中。
でもこれも旅って感じで悪くない。
いやほんとに。
早来から国道234号線で追分へ出て、道道462号線で東へ進路を変える。
国道274号線に出て夕張のドライブインで焼きとうもろこしを食べる。
毎年昼食直後だったり売ってなかったりと、なかなか食べる機会に恵まれないとうもろこしだが、今回はいきなりからバッチリ。
幸先良し。
帯広の西の清水で国道38号線に乗り換え帯広に向かう。
途中、高台になったところにあるロッジ風の喫茶店を見つけて昼食。
メニューを見るとハンバーグが自慢のようだったので、軽めにハンバーグパスタを注文。
味も店の雰囲気もかなりいいところだった。
来年以降もタイミングが合えばまた来よう。
今まで一度も通ったことのなかった帯広を抜けて、豊頃町のハルニレの木を見に行く。
初めて来た時はどこにあるのかさっぱりわからずかなり迷ったが、今回は3回目なので余裕で到着。
今まで来た中で一番緑がきれいで良かった。
遊んだ後はお風呂と晩ご飯のために釧路を目指してさらに東進。
釧路の手前の道の駅しらぬか恋問でソフトクリームを食べながら休憩。
釧路入りすると道道113号線に入って、去年何度も行ったジャスコでショッピング。
その後道道53号線、666号線と乗り継いで北西に20キロほど行ったところにある、こちらも去年何度か入った山花温泉へ。
さっぱりした後は再び釧路の市街へ戻り、ジャスコの近くで見つけた回転寿司屋さんへ入る。
回転寿司はこれまで結構失敗していたが、北海道なら大丈夫だろうと思ったのが間違いだった。
そこそこの味を堪能して、本日の寝床になる道の駅しらぬか恋問へ舞い戻る。
−9月20日− トドワラリトライ
国道44号線で東進開始。
途中やはりコンビニで朝食を済ませ、ひたすら東へ。
厚床で道道1127号線で初田牛へ。
ここには「秘境駅へ行こう」という文庫本に載っていた駅があり、ようするに周りに何もないところに駅があるというところ。
去年夜に訪れて不気味さを堪能したが、昼に行くとどんなところか見てみたかった。
見てみると単なる古い駅だった。
まぁそりゃそうか。
まだ時間が早かったので、道道142号線でさらに東へ進み、根室入り。
ここも今まで一度も入ったことのない街。
通るだけだけど。
せっかくここまで来たのでさらに足を伸ばし、道道35号線で納沙布岬へ。
着くには着いたが、ハエだらけで車から降りれず。
そのまま半島をぐるっと回っている35号線で根室へ戻り、国道44号線で厚床、そこから国道243号線244号線を乗り継いで北上する。
3年前の新婚旅行で来た時に、なんだかよくわからなかったトドワラを見るために、道道950号線に入って野付半島へ。
道の両側が海というなかなか見れない景色の中をひた走る。
前は10月の末に来たので、どうやらシーズンオフでやっていなかったらしいレストランが開いていた。
そこで ”うにいくら丼” を食べる。
利尻の究極の味には及ばないが、なかなかの美味だった。
そしてトドワラを見に約1キロほどの距離を歩く。
トド松が海水におかされて風化してできたというトドワラの荒涼とした風景。
3年前は、車から見えないのでなくなってしまったものだと思っていた。
こんなに時間をかけることは想定外だったので、この日知床、ラウスを周る予定は明日に延期。
まぁ前日や当日に思いつきで決めているスケジュールなので全く問題なし。
国道244号線、391号線で小清水へ出て、温泉に入る。
結構田舎町なのだが、昨年来た時は駐車場が満杯。
でもそれは温泉客ではなく、歌手の前川清がテレビの番組でそこに来ていたためだった。
今年はイベントもなかったので普通の温泉。
お風呂の後は網走で晩ご飯。
商店街にある駐車スペースに車を止めて、”あぶりや”という炭火焼の店で、焼き魚定食を食べた。
魚は秋刀魚(さんま)だったのだが、これがほんとにうまい。
来年また機会があれば他の料理も食べてみたい。
再び小清水に戻り、道の駅はなやか小清水で就寝。
昼夜といいものを食べられた一日だった。
−9月21日− ダート
昨日キャンセルした知床、ラウスへ向けて出発。
朝食は当然のようにコンビニのパン。
そろそろいいかな。
国道244号線で斜里へ出て、そこから標津へ向かって羅臼側から周るつもりが交差点の工事に惑わされて知床周りの道へ。
この工事2年前からやってたなぁ、と言っているうちに間違えた。
結局間違いに気付きつつも戻るのはやめて334号線と道道93号線で知床へ。
しかし2年前はほとんどがらがらだった知床五湖の駐車場は入り口で渋滞するほどの車の数。
いずれにしろ犬は入れないので休憩はやめて、そのままカムイワッカ湯の滝へ。
この道は10キロ以上続くダート路線でいまいち気乗りしなかったが、車の揺れを気にせずスピードを上げて走るうちに
カーブでのタイヤが少し滑る感覚や、隙間に滑り込むような対向車とのすれ違いが徐々におもしろくなってきた。
街乗り主体の車だが悪路もいける車なので、この車の新しいおもしろさを見つけた感じ。
おもしろくなってきたところでカムイワッカ湯の滝へ到着。
しかしここも観光客で一杯。
駐車場もないので路駐だらけ。
適当に滝を見て引き上げる。
カムイワッカ湯の滝と、さらに1キロほど奥へ行ったところにある知床大橋 これ以上は車で行けません
帰りもダートを堪能。
来年もまた走りたい。
いや、ここでなくても林道等探してもいいかもしれないな。
元来た道へ戻り、羅臼へ向かって知床峠を越える。
峠を下ったところにある道の駅知床・らうすでお土産の蟹を購入。
もちろん自分の家にも送り、帰ってからの楽しみを作っておく。
そこから国道335号線で南下して、標津から昨日も通った244号線で再び斜里、網走へ。
その前に今朝まで寝ていた道の駅はなやか小清水でおやつに揚げたいもを食べる。
網走からは国道238号線で北上開始。
途中道の駅サロマ湖でおやつにホタテを焼いたものと再び揚げいも、ソフトクリームを食べて腹ごしらえ。
紋別で日暮れを迎え、道の駅オホーツク紋別で小休止。
そこからさらに北上したところにある日の出岬のホテルでお風呂と晩ご飯。
刺身と天ぷらを食べるべく天ぷら定食を注文したが、刺身はセットになかったのが少しショック。
たいていあるんだけど。
それでも味には十分満足して、道の駅おうむで就寝準備にとりかかる。
海がすぐ近くなので、翌朝綺麗な日の出を見ようと眠りにつく。
−9月22日− 銀河宗谷岬へ
起きれず日の出はなし(笑)
曇っていたからよしとする。
そして恒例のコンビニ朝食を済ませて、宗谷岬へ向けて北上を続ける。
3年前に白鳥の写真を撮りまくったクッチャロ湖畔で休憩。
3年半で走行距離10万キロに近づく車 そのうちの1割は北海道を走った計算になる
銀河も思う存分遊んだ後、道の駅さるふつ公園でほたてフライ定食を食べる。
天然の国産ほたてが獲れるのはここだけだと店の人がマイクで観光バスで来た客に説明していた。
この人の説明がおもしろくて、料理を食べ終わっても最後まで聞いていた。
そしてついに日本最北端の地宗谷岬に到着。
来るのは3度目になるが、今回は銀河が来たということに意義がある。
しかし今回はどこへ行っても観光客が多い 記念碑の前で銀河だけの写真が獲れずにショボーン
この後は稚内で、2年前にたまたまオープンした日に入った喫茶店”OTENKIYA”に行ってみる。
大丈夫、店はまだあったが駅前駐車場がなぜか一部閉鎖されていて止められない。
仕方ないので役所の駐車場を少し拝借。
この街でお金を使っていくので少しならいいよね。
喫茶店でココアを飲んでのんびり休息。
朝から曇っていた天気がついに泣き出したので、期待していた真っ青な海を見ながらの南下はできず、まっすぐ前を見ながら道道106号線を南下。
手塩から国道232号線で南下を続ける。
北海道らしからぬスピードで走行する場面 連行されているわけではありません
道の駅ほっとはぼろの脇のホテルで早めのお風呂。
今晩は雨だし銀河も疲れているようなので、ホテルに泊まれないか探してみたが、どうしても犬OKが見つからず。
あきらめて南下を続け、留萌でモスバーガーを見つけて晩ご飯。
この街にモスバーガーがあるとは思わなかった。
そこから国道233号線で道の駅サンフラワー北竜に向かい就寝。
−9月23日− カルビー
雨もあがって綺麗な青空の中を、道道57号線、国道12号線経由で旭川へ。
途中これでもかといわんばかりにコンビニ朝食。
もはや日常です。
旭川で大型ジャスコを見つけて入り、帰りの船で読む本を買ってから、道の駅とうまでラーメン。
これが旭川ラーメンか、という感慨はなかったが、チャーシューの味が抜群によかった。
次食べる時はチャーシュー麺だな。
そこから道道140号線、37号線、国道237号線で旭川市街を避けつつ定番の美瑛へ。
ぜるぶの丘公園で、ゆでとうもろこしを食べながら休憩。
そこから少し南の深山峠で、店の人が客と交わす会話からすぐ近くにカルビーのレストランがあることを知り、
直前に食べたゆでとうもろこしでお腹はすいていないが、覗いてみることに。
裏にテラスがあったので、犬連れでも構わないか店の人に確認してOKだったので入ってみることに。
カルビーといえばポテトチップス。
やっぱりポテトでしょ、ということで、ポテトフライとアイスコーヒーを注文。
これなら食べれるかな。
そこを出て道の向こう側が大きな草原だったので銀河を遊ばせようとしたが、草が結構伸びているので銀河だけを遊ばせる。
のんびりしていたが、この後どこかの丘から夕日を見ようと車を走らせたが間に合わず。
残念。またどうぞ。
気を取り直して温泉に入るために旭川方面に戻ろうと、美瑛の中の道を山のほうに抜け国道452号線を走っていると工事中行き止まり。
どうやら山の奥地へ向かう方に逆走していたらしい。
ちょっと焦った。
道を戻って無事道道37号線に出て、道道294号線で東神楽温泉に。
まだ新しい施設で綺麗だったが、そのせいか今回の温泉でここが一番混んでいた。
晩ご飯は無難に朝寄ったジャスコのレストラン街で。
釧路巻き、刺身、天ぷらなど一品ものを注文。
満足して道の駅とうまへ向かい、睡眠に入る。
−9月24日− 銀河の滝
この日はとうとう最終日。
今晩23時50分の船で帰る。
ここでついに脱コンビニ朝食。
旭川で朝マック。
まだ一日遊べるのでまっすぐ港へは向かわず、まずは国道39号線で層雲峡のほうへ。
そのすぐ近くの小函で銀河の滝発見。
以前にも見ていたのだが、ここに来て銀河という名前の滝だったことを思い出した。
気分を良くしてそこから国道273号線で糠平湖へ。
ガイドブックの地図によるとこの湖の東側にダート路があるようなので、調子に乗って行ってみることに。
しかしこれが狭くて全然楽しくなさそうな道。
まぁこれがほんとなんだろうけど。
少し前に北海道に大きな被害を与えた台風の影響か、倒木が多いので取りやめ。
この街でロッジ風の喫茶店を見つけて入り、かつカレーを食べた。
そこから道道85号線に入り、雨と霧で何も見えない然別湖畔の土産物屋で、知り合いへの土産のチョコレートを買う。
さらに南下して道道593号線に入り、718号線に乗り換えて何キロも真っ直ぐに続く道を走った後、国道274号線、38号線で道の駅南ふらのへ。
ここで港までの時間を計算してみると、ちょっと乗船時間までに余裕がなくなってきていることがわかり、先を急ぐことに。
船に乗れないことはないが、この後まだお風呂と晩ご飯が残っている。
真っ暗になって何も見えないかなやま湖畔の道道465号線を抜け、国道237号線から道道136号線に入る。
しかし道道136号線に入ったところで、この先災害により通行止め、との表記。
時間がないのに、よりによってショートカット失敗。
仕方なくそのまま国道237号線から274号線に出て、234号線を南下。
早来で道道10号線で北海道初日に入った鵡川の道の駅の温泉に向かう。
結局この日は雨のため想定どおりに車が進まず、温泉を出た時には夜10時近く。
乗船開始時刻は10時50分なので、苫小牧に出て晩ご飯を食べるという予定は中止。
船の中で食べるしかないので、とりあえず苫小牧方面へ向かってコンビニを探す。
道の駅を出てすぐにセブンイレブンはあったが、普段会社でよく利用しているのでできれば他のところがいいとさらに進む。
しかし何もない。
このままでは食いっぱぐれるので、あきらめて最初に見つけたセブンイレブンに戻ることに。
しかし土砂降りの雨と道の水はけが悪いため車の流れも悪く、結局乗船開始ぎりぎりに港に到着。
帰りの船は車も少なく余裕だった。
乗船後銀河をペットルームに入れて、コンビニ晩ご飯。
ようやくコンビニ朝食から解放された、まさにその日のできことであった。
帰りは二等寝台の二段ベッドの上は空けたまま、向かい合わせのベッドが使えた。
このほうが気楽でいい。
そこで少し本を読んでいると、すぐに船が大きく揺れだした。
しだいに揺れは大きくなり、波に持ち上げられて落ちる、という感じになってきた。
遊園地にあるバイキング状態。
これはまずいと思い本を読むのをやめて寝ようとしたが、時既に遅し。
揺れがひどすぎて眠れない・・・
しかもだんだん気持ち悪くなってきた・・・
−9月25日− のんびり船旅
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
午前3時過ぎに目覚めた時にはもう揺れは落ち着いていた。
1時間くらいしか寝ていない計算になるが、もう眠くもなかったのでまた懲りずに本を読み始めた。
ここでまた船が揺れだして・・・というオチは特にない。
朝、昼、晩のご飯と、銀河の面倒の合間はプロムナードで読書。
なんとも優雅なひととき。
船は定刻通り20時15分に敦賀港入港。
銀河も無事解放される。
後は途中のSAで休憩しながら高速で家まで帰還。
今年は銀河がいた分メリハリのあるいい旅になった。
でもその分現実に戻るつらさも大きかったわけで・・・